iDeCoは、税制優遇を受けながら老後資金を準備できる非常に魅力的な制度です。
しかし、運用の仕方を間違えると、思わぬ失敗につながることもあります。
この記事では、iDeCoでよくある失敗例と、その対策について具体的に解説します。
iDeCo(イデコ)の基本的な仕組み
まずは、iDeCoの基本を簡単におさらいしましょう。以下ように、節税と資産運用を同時に行える点が特徴です。
税制優遇
掛金が全額所得控除、運用益が非課税、受け取り時に控除が適用される。
掛金の上限
職業によって異なり、会社員の場合は月額23,000円が上限。
運用商品
投資信託や定期預金など、自分で選んで運用。
iDeCo(イデコ)でよくある失敗例
いくつかの失敗例を紹介していきます。
資産運用商品を適当に選んでしまう
手数料が高い商品や、自分のリスク許容度に合わない商品を選んでしまうケースが多く見られます。
- 高リスクの株式型ファンドに全額投資し、相場が急落した際に大きな損失を抱えた。
- 「安全そうだから」と定期預金だけに投資し、老後資金を増やせなかった。
掛金設定の誤り
生活費を無視して掛金を設定した結果、支払いが家計を圧迫し、他の支出に支障が出てしまう。
- 毎月限度額いっぱいの掛金を設定したものの、収入減や突発的な支出で支払いが厳しくなり、制度への不満を感じるようになった。
出口戦略を考えない
受け取り時の税制(退職所得控除や年金控除)を理解せずに受け取り、高額な税金を支払うことになった。
- 定年退職後に他の退職金と一緒に一時金で受け取った結果、控除枠を超えて課税された。
運用の見直しを怠る
運用開始後に商品を見直さず、市場環境や自分の年齢に合わなくなったポートフォリオを放置。
- 最初に選んだリスクの高い株式ファンドを、退職間際まで変更せずに運用し、老後資金を失った。
転職後に掛金の拠出手続きを行わず運用が止まる
iDeCoは掛金の拠出がなくても手数料が発生します。運用資産から引かれていくため、それまで掛けていた運用資産がどんどん少なくなってしまいます。
失敗を防ぐためのポイント
失敗例から学び対策することで防ぐことができます。以下対策方法を解説します。
商品の選び方を学ぶ
投資商品選びをしっかりする必要があります。扱っている商品は、金融機関によって違うため目的の商品がある場合は、金融機関選びからはじめましょう!
以下に注意することで失敗を防ぐことができるでしょう。
- なるべく手数料の低い金融機関を選ぶこと
- リスクを考えて商品選択をすること
掛金の設定を慎重に
資金に余裕がないと途中から苦しくなるため、無理ない金額を掛けていきましょう。
収入源や大きな出費なども考慮して設定しましょう。
出口戦略を立てる
受け取り時の税制を理解して受け取りましょう。退職所得控除や年金控除を最大限に活用します。
特に会社から退職金が出る場合は注意が必要です。控除の上限があるため退職金が多いかたは受け取り方を考えておく必要があります。
運用状況を定期的に確認
運用方法の見直しも必要です。受け取り時期の直前に大暴落がきたら、今まで積み上げてきた資産がなくなってしまう可能性も。
転職などで手続きを忘れないで行う
老後の年金や節税をしてきたのに、手続きを怠り放置していると手数料等が取られるだけのものになってしまうため、しっかりと手続きしましょう。
iDeCo(イデコ)で、あまり知られていないメリット
iDeCoは、NISAと比較すると制度の複雑さや掛け金を引き出せないといったデメリットが多く毛嫌いされています。
けれども収入が増えてくると節税効果が高いため、iDeCoを優先する方も多くいます。
他にもあまり知られていないメリットもあるため紹介していきます。
運用商品の変更が簡単にできる
iDeCoには「スイッチング」という手続きがあり、商品の変更がWeb上で簡単に行えます。その変更に関して手数料も発生しないという特徴もあります。
NISAの場合は変更が不可で、一度売却して新しい商品を購入するという手続きになります。そのため非課税枠を別途使うことになります。
まめ編集長は、スイッチングをしばらく知らずに過ごしていたため、全く運用益がでない商品をしばらく持ち続けていました。
「商品別配分」を変更が簡単にできる
商品別配分という機能は、毎月A,B,Cという3つの商品に5千円ずつ1万5千円掛けているとします。
ある時、Aに3千円、Bに3千円、Cに9千円というように、掛け金の割合を変える機能です。NISAの積み立て金を変更するような機能です。
このような変更も簡単にWeb上でできます。意外とNISAよりも柔軟なところもありますね。
まとめ
iDeCoは、課税所得が20%くらいを超えてきたら始めると効果が高くなります。また60歳まで使えないため、資金に余裕がでてきたら始めるのがおすすめです。
20代はNISA優先、30代は所得が増えて節税したい人、個人的には、ある程度年収がある40代、50代はNISAより優先した方がいいと思います。
もちろんNISAだけでも大きな運用益が期待できるため、そちらに専念するというのもありです。検討してみてください!