この記事では、これから副業や独立で在宅ワークを行う人が気になっているトピックについて解説します。
特に、「在宅ワークの始め方」と「在宅ワーク中の仕事・健康管理」は収入や健康に直結するポイントです。しっかり確認しましょう。
在宅ワークとは?
自宅を利用し、業務や会議、プレゼンを行うことを指します。自宅で働く人は在宅ワーカーと呼ばれます。家を空けられない事情がある人や、オフィスや店舗を構える必要がない業種に多くみられます。
また、企業の社員でも自宅やサテライトオフィスで仕事をする人が急激に増えました。これらは基準となる会社があることが前提のため、「リモートワーク」「テレワーク」と呼ばれることもあります。
在宅ワークを始めるために必要なもの
職種により必要なものは異なります。作業を始めてから必要だと気づく場合もあるため、最初から買い集めるのではなく依頼や仕事内容に応じて導入してもよいでしょう。
内職、ハンドメイド系は必要なアイテムを
工作用品、手芸用品など、それぞれのジャンルに合わせたアイテムの準備が必要です。また、商品になるため、ホコリや汚れがつかないように作業場所は綺麗にしておきましょう。
パソコンがあると便利な仕事がほとんど
ポイントサイトやアンケートはスマホで完結できる場合もあります。しかし、中にはパソコンでしか回答できないものや、手続きの一部がPC版のブラウザが必要なこともあります。
Webに接続して行う限り、基本的にはパソコンがあると便利です。
クライアントとの打ち合わせのために、Webカメラとマイク機能のあるパソコンを用意できるとよいでしょう。使用しているパソコンに付いていない場合は、安価でも十分な機能を備えたWebカメラ・マイクが流通しています。
高速のインターネット回線
ファイルのやり取りや、ビデオ通話でミーティングを行う可能性が高い場合には、1Gbpsの速度が出る光回線を契約するのがおすすめです。
ADSL回線でも不可能ではありませんが、会議中に音声や映像が乱れて相手にストレスをかけてしまう可能性が出てきます。自宅のインターネット回線がどの規格かは、NTTのサイトなどで調べられます。
その他、職種ごとに特に必要となるハードは以下のとおりです。
デザイン・編集系
- 必要な容量に応じたメモリ
- 液タブやペンタブ、iPadなど制作用ツール
- カメラ/ビデオカメラ
コールセンター・カスタマーサポート
- ヘッドセット
あると便利なソフト・サービス
ライティングやデータ入力などにはMicrosoft365とGoogle Docs・Spreadsheet、動画制作・編集やチラシ・ロゴデザインなどはAdobeの関連ソフトが入っているとスムーズに進みます。
プログラミング系の場合は言語や開発するサービスに合わせてエディタを選びましょう。
共通
- Microsoft365
- Google Docs、 Google Spreadsheet
デザイン・編集系
- Adobe 各種ソフト
- DAWソフト(CUBASEなど)
プログラミング系
- テキストエディタ、VSCode、開発に合わせた環境など
在宅ワークを始める前に必要な準備
在宅で行う仕事が副業でも独立でも、年間20万円以上の収入がある場合は確定申告が必要になります。
確定申告の時期(2月半ば〜3月半ば)に慌てなくてもいいように、毎月の収支をExcelやフリーランス向けの会計ソフトなどにまとめるとよいでしょう。
また、一定以上の収入が見込まれる場合には、控除の額が大きい「青色申告」ができるように税務署に「開業届」を出しましょう。
それぞれフォーマットはWeb上にあるため、必要に応じてDownLoadし、活用するのがおすすめです。
在宅ワークを効率的に進めるためのステップ
在宅ワーカーとして働きたい場合、知っておきたい知識をまとめています。
ここでは、副業や独立で新規のクライアントに向けて商品・サービスのPRと取引を行う場合を前提として解説します。既に付き合いのある既存の顧客とだけ仕事をする場合にはスキップできます。
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1基礎知識のインプット
近年はフリーランスや副業人材向けに「スキル売買サービス」や「仕事斡旋サービス」などが複数存在しています。
スキル売買サービス
クライアントと在宅ワーカーがシステム上でやり取りします。売上金の15〜22%が「システム手数料」としてサービス側に差し引かれるのが一般的です。
売上額に対する手数料で運営しているため、いずれも出品者とクライアントとの直接連絡・取引を禁止している場合がほとんどです。
一例ですが、以下のようなサービスです。
- クラウドワークス
- ランサーズ
- ココナラ
仕事斡旋サービス
派遣の在宅型のようなイメージです。ワーカーを探している企業や個人が斡旋サービスに依頼し、コーディネーターがスキルや価格が合致しているワーカーを紹介します。
受注額の一定割合の手数料を払うことが基本ですが、負担するのがクライアントかワーカーかはサービスによって異なります。
直接雇用
在宅で働きたい企業がある場合には、各種求人サイトに掲載されていたり、企業の求人欄などに記載されたりします。この場合は直接自分の経歴や提供できるサービスを示してPRが可能です。
基本的には他の応募者と競うことになるため、タイミングの良し悪しや給与相場の妥当性などについては不明な部分もあります。
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2下準備
サムネイル、商品説明のテンプレート、ポートフォリオを作成する。自分をアピールするために必要な下準備になります。
サムネイル
スキル売買サービス・仕事斡旋サービスのいずれに登録するとしても、顧客に関心を持ってもらうための入り口となるサムネイルが必要です。
Power Pointや画像編集ソフトを利用してサービス・実績・対応ジャンルなどを示しましょう。なお、サムネイル用の画像作成をしているワーカーもいるので、依頼から納品までの流れを把握ために発注してみるのもよいでしょう。
自己紹介文、ポートフォリオ、商品・サービス説明、料金目安を作成する
これらは各サイトや仕事への応募の際に書くことも多いため、事前にテンプレートを準備しておくとスムーズに進みます。
これまでに納品した事例や制作実績があればポートフォリオとしてまとめると、クライアントとのイメージ違いや齟齬が起きにくくなります。
料金については、案件により価格は変動するとしても、基準となる時給換算額や修正回数、最低補償額などが明らかになっていた方がクライアント側にとっては依頼しやすくなります。
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3仕事獲得
複数のマッチングサービスに登録する
在宅ワーカーとして一から始める場合、依頼者の数は未知数です。
初めからひとつのサービスに決めるよりも、複数のサービス(スキル売買系・仕事斡旋系問わず)に登録してより広い層に知ってもらう方がメリットも多くなります。
また、それぞれのサービスごとに特徴や相場の違いがあるため、自分の出品したいサービスの出品者(ワーカー)の料金相場や人気のあるサービスなどを閲覧し、参考にするのもよいでしょう。
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4作業
依頼が来たり、コンペティションに通過したりすると仕事スタートです。個人相手の場合は平日の夕方や土日に依頼が来ることが多く、企業が相手の場合は平日の朝から夕方に依頼や問い合わせが来る場合がほとんどです。
在宅ワーク中のスケジュール管理
在宅ワークでよく使うコミュニケーションツール
経由したサービスのチャット欄やビデオ通話システムを使う場合もありますが、クライアントやサービスによっては他のツールを使用した仕事管理を希望される場合があります。サービスの規約に沿って対応しましょう。
クライアントが使用しているツールを用いることが基本となるため、いずれにも対応できるように基本的な使い方をチェックしておくと慌てずに済みます。
- Zoom
- Chatwork
- Notion
- Teams
- Skype
- Google Drive
- Google Meet
- Slack
- One Drive
在宅ワーク中のストレス対策
在宅ワークは、いろんな人との関わりが減ることで楽に感じますが、逆に孤独を感じストレスになるということもあります。
しっかりストレスを低減するために対策をしておきましょう。
対応可能時間を明らかにしておく
在宅ワークは好きな場所で好きな時間に作業できる強みがあるものの、クライアントからの問い合わせ対応やミーティング出席などで活動時間が固定される場合もあります。
そうしたストレスを低減するためには、あらかじめ「平日18時以降、休日9時〜16時」など、即時対応可能時間を示しておくことが有効です。
ポモドーロタイマーの活用
依頼が立て込んでいる時期などはストレスが溜まりやすくなるため、仕事にかかりきりになるよりも、ポモドーロタイマーなどを使って数十分に5〜10分の休憩を入れると集中力が持続し、仕事の進み具合も良くなる傾向があります。
メモ
話し相手を作る
在宅ワークだと、困りごとや相談ごとを話せる相手が身近にいないこともストレスになる場合があります。
スキル売買のサイトでは、オンラインでの「話し相手・相談相手」になることを売りにしている人もいるので、そうした人に頼って見るのも一手です。
無理な依頼や変更は断る
依頼が来ることはありがたくとも、スケジュールの都合や依頼内容の問題で継続が困難な場合もあります。
まず、依頼・見積もりの時点で「仮納品後の修正は○回まで」「注文後の要件追加は別料金」と明記しておくことが大切です。
依頼が立て込んだりスケジュールが押してしまったりなどの自己都合で納品が遅れそうな場合は、判明した時点でできるだけ早く連絡し、誠実に対応しましょう。
在宅ワーク中の健康維持
本業を在宅ワークで行う場合、会社などに所属していると毎年受ける「健康診断」の対象から外れてしまいます。仕事の過多によって生活リズムが崩れがちな在宅ワーカーにとって、健康維持は重要な課題です。
健康診断であれば、自治体のサポートや、登録している仲介サービスの福利厚生で割引になることもあるため、存分に活用しましょう。
また、通常の生活においても適度な運動としっかりした食事、睡眠が欠けると健康を害しやすくなります。通勤がない分、生活リズムに合った自室でのストレッチやジムの利用、散歩に出るなど、無理のない範囲で体を動かすことが大切です。
また、立て込んでいる時期にはおろそかになりがちな食事のバランスや睡眠時間の確保は長い目で見ると生活の質を左右する重要なファクターです。
自宅などで作業していることを活かし、隙間時間に常備菜を作ったり、宅配や家事代行サービスを活用したりして日々の負担を減らし、睡眠や食事といったリラックスのための時間を確保するように努めましょう。
まとめ | 在宅ワークの始め方:準備編
今回は、在宅ワークの始め方というタイトルで主にどのような準備が必要かを紹介しました。
物理的に必要な準備だけでなく、手続きや登録の準備もありますので確認しておきましょう。
在宅ワークを続ける場合は、体調管理もしっかりと行い受けた仕事を問題なく納品できるように努めていきましょう。