この記事では、大学に入り直さなくても独学や予備校での勉強で取得可能な資格を取り上げています。
在宅ワークで受注できる案件の幅を広げたい人や、自分の知識を客観的にPRしたい人、経験を生かして資格を取得したい人は、ぜひ参考にしてください。
こんな方におすすめ
- 在宅ワーカーとしてPRになる資格の種類
- 資格の有無はクライアントにとってもわかりやすい指標
- 資格を持っていないと業務を行ってはいけない仕事がある
- 資格があると収入アップにもつながる
在宅ワーカーにとっての資格の価値とは?
在宅ワーカーやフリーランスワーカーの中には、実務経験をPRすることで特に資格を持っていなくても活躍している人がたくさんいます。
しかし、資格を持っていることは、ワーカーにとってもクライアントにとってもメリットがあります。こうした事情を鑑みると、資格に「あって損はない」と言えるでしょう。
在宅ワーカーにとってのメリット
- 基礎知識があるとPRできる
- 専門性が高い高単価の案件受注に繋がりやすい
依頼先を探しているクライアントにとってのメリット
- ワーカーの得意分野・興味関心の範囲がわかりやすい
- 民間資格でも最低限の知識ややる気があると思える
- 複数人の応募があった際に選定する基準にしやすい
資格の種類
資格を大別すると、以下の3種類があります。
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- 国家資格
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国家資格は法に基づき、定められた機関が実施しています。
資格により差はありますが、国家資格・公的資格には合格率が3%を切る難関資格があったり、受験資格として大学等で特定分野の専攻が必要だったりと、着手・中身ともに難易度が高めです。
個人の能力・知識を証明するものとして一定の地位があります。代表的な国家資格は医師免許・弁護士資格などです。
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- 民間資格
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民間資格は公益法人や企業、協会などにより独自の基準で実施されている資格です。
難易度や信頼性はまちまちでが、ニッチな需要や国・公的機関がカバーしきれない範囲で一定の地位を築いている資格もあります。民間資格の中でも有名なのが防災士やソムリエです。
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- 公的資格
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公的資格とは、官公庁や大臣が認定、または委任している資格を指します。代表的なのは都道府県の教育委員会が授与する教員免許状です。
民間資格を取得する必要はある?
資格の信頼性の高低という意味では、民間資格は難易度や合格率、実施機関などの信用性などが分散しているため一概に言えるものではありません。
しかし、経理などの管理部門経験者の場合は、過去に関わったプロジェクトの提示やポートフォリオの掲出が難しく、各種資格を取ることでPRになります。
また、在宅ワーカーとして駆け出しの時期など、客観的な知識・スキルの認定としての価値はあるため、自分の得意な方向性や興味・関心分野を列挙できる部分でもあります。
在宅ワーカーにおすすめの資格
在宅ワーカーにおすすめの国家資格、民間資格、公的資格について紹介していきます。
社会人基礎になる資格
在宅ワーカーの中でも、特に学生や主婦・主夫歴が長い方などに向いている資格です。実務経験が少なくとも知識やスキルの客観的指標としてレベルを示せるという点でおすすめです。
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- MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)
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Word・Excel・Power PointなどのOfficeソフトの熟練度を測る試験です。特別な書式や、マクロ・VBAのレベルを客観的に示せる点で人気もあります。
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- ITパスポート(国家試験)
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社会人に必要な基礎レベルのIT関連の知識を証明する資格です。AIなどの新しい技術の概要に加え、マーケティングや法務、セキュリティといった働く人に必要な知識があることを証明します。
ITパスポートへの合格を重視し、目標としている高校や専門学校・大学もあります。
情報系の資格
情報系の資格はたくさんありますが、情報系の資格は盛衰が激しいのが特徴です。資格よりも関わったプロジェクトやローンチしたサービス単位でPRした方が有利な場合もあります。
資格は名称の変更も多く、業界内での評価も上下しがちな点に留意しましょう。
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- 情報処理技術者検定(国家資格)
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情報系の中では最もポピュラーな資格です。試験区分はレベル1〜4に別れていますが、どの区分からでも受験可能です。国家資格なこともあり社会的な信頼も高い点で押さえておきたい試験と言えます。
会計・保険・税務系の資格
お金に関わる資格は、世間の関心の高さも相まって解説記事の監修やライティングの依頼も多くなります。
ただし、税理士や公認会計士といった資格を持っていない場合は、資格所有者の「士業独占業務」に抵触しないように気をつけましょう。
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- 日商簿記
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経理や会計知識の有無を示す指標としてもメジャーな資格です。日商簿記は3級から1級がありますが、知識・技術のPRに用いるには2級以上が望ましいでしょう。
2・3級はペーパーテストのほか、インターネットで申し込み、最寄りのテストセンターで随時受験することも可能です。
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- ファイナンシャルプランナー(FP技能士・国家資格)
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主に個人を対象に、人生の総合的な資金計画を立てたり、経済面の相談などに乗ったりすることができます。基礎的な範囲をカバーしている3級は、特に受験資格はありません。
法律・社会・対人系の資格
次各種制度や法律に関する知識は、企業からの相談や依頼が多いジャンルです。法律で人を支える資格を持っていると、法人相手の専門的で高単価な仕事の依頼も期待できます。
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- 行政書士(国家資格)
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行政書士は法律系の国家資格で、各省庁や自治体、警察署等に提出する書類の作成や提出の代理、また内容についての相談を受ける仕事です。
行政書士は受験資格に学歴の制限が無いうえ、取得すると社労士など他の資格の受験資格にもなりえます。ただし、広く門戸が開かれている分合格率は例年10%程度と低めなため、しっかりとした対策が必要です。
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- キャリアコンサルタント(国家資格)
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キャリア形成や就労に関して、企業と求職者のマッチングのサポートやアドバイスを行う資格です。国家資格ですが、受験資格に学歴の要件がないため、最終学歴が中学校でも高校でも挑戦できます。
ただし、実務経験がある方や、キャリアコンサルタント学科試験または実技試験どちらかの合格者以外は、「厚生労働大臣認定の講習を140時間修了」する必要があります。なお、この講習はおよそ30〜40万円です。
言語系の資格
小学生から英語が必修化し、日本語・英語のバイリンガルとして活躍する人材の母数は増えていくと見られています。
在宅ワーカーでも、専門性の高い翻訳や通訳、読解ができる人材はレベルに見合った高単価の仕事に就けることが多く、さらに多国語を読み書き話せるとなると、より重用されます。
語学の資格は数が多く、認知度にも差があります。どのようなジャンルで役立てたいのかも念頭におきながら資格の取得を検討しましょう。
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- TOEIC(Listening&Reading/Speaking&Writing)
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英語力を測る試験です。様々なシーンを想定したテストで、実力は合格・不合格ではなく点数で表されます。外資系企業とのやり取りや英語を用いた仕事の場合、990点満点中800点以上がPRの基準となる場合が多いようです。
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- TOEFL iBT
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こちらも英語力を測る試験です。個人で受験する場合はiBT、大学や企業などで受験する場合はITPと別れます。
特にアカデミックなシーンに重点が置かれており、iBTはReading/Listening/Speaking/Writingでそれぞれ30点満点、スコアにより基礎・初級・中級・上中級・上級に割り振られます。
英語をメインにアカデミックな仕事を行う場合には、国際平均点の80点以上が取れるとよいでしょう。
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- 語学の検定
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英語に限らず、中国語・ヒンディー語・スペイン語・アラビア語・フランス語・ロシア語・・・など、様々な言語の検定が日本でも行われています。
それぞれ実施している機関が異なり、一つの言語でも複数の試験が実施されている場合もあります。ハイレベルな級に合格すると、オンラインでの外国語講師としても活躍できます。
翻訳の資格
翻訳は、原文の意図を正しく他言語で伝えるため、日常会話よりも文語的な表現や専門表現、細かなニュアンスを正確に表現する日本語の能力も求められます。能力のほか、実務経験が求められる場合もあります。
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- JTFほんやく検定
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英日・日英の翻訳試験です。基礎と実用に分かれており、実用レベルでは社会・政経/科学技術/金融・証券/医学・薬学/情報処理の専門用語が出題されます。ジャンルごとに踏み込んだ翻訳ができると証明するのに役立ちます。
その他の資格
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- 防災士
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自然災害の多い日本では、防災士による防災グッズの監修や防災関連の情報の監修に一定のニーズがあります。
自分の命を守る自助・周囲と助け合い被害拡大を防ぐ共助・行政や機関と協力する協働の考えに則り、十分な意識と一定の知識・技能を修得した人に与えられます。
資格取得までのステップは多いものの、在宅ワークに限らず、有事の際にも役立つ資格です。一部には防災士の受講費用を一部負担している自治体もあります。
在宅ワーカーは資格の有無で仕事の単価が上がる?
在宅ワーカーの募集サイトを見ると、資格の有無で案件の価格が異なるとわかります。
ライターの場合、「未経験歓迎」「誰にでもできる」と募集されている仕事は1文字0.5円以下の場合がほとんどです。
対して、有資格者による解説を求めているものは1文字3〜5円など、単価に10倍以上の差がつくこともあります。
資格取得のサポート制度
厚生労働省が指定する一部機関の資格では「教育訓練給付制度」が利用可能です。
給付を受けるには、指定の講座に80%以上出席、過去数年間以内の制度の利用の有無など各種条件がありますが、資格によっては最大で講習費用の約7割にあたる十数万円が給付される場合もあります。
自分の知識・スキルを活かせそうな資格が対象になっていないか調べてみるのもよいでしょう。
在宅ワークに活かせる資格を取得しよう
この記事では、在宅ワークで働くうえでおすすめの資格を紹介しました。ここで挙げた以外にも、自分のスキルや知識をアピールできる資格はたくさんあります。
現在、仕事の単価が低くて悩んでいる在宅ワーカーや、時間あたりの単価を上げたい人は、上記をはじめとした資格を検討してみましょう。
資格の取得には受験費用や教材費などがかかりますが、初期投資と考え、在宅で働くモチベーションを維持するための材料にするのがおすすめです。