普段何気なく目にするCMやWeb記事に、コピーライティングとセールスライティングが活用されていることをご存知でしょうか?
ビジネスで用いられる文章には、この2種類の技法が使われています。
そこで今回は、コピーライティングとセールスライティングの違いや、ライティングスキルを向上するコツを紹介します。
コピーライティングとセールスライティングの違いとは?
モノを宣伝・販売するために使われる文章には、コピーライティングとセールスライティングがあります。
簡潔に言うならば、使用する目的が異なります。コピーライティングは「ブランディング」、セールスライティングは「レスポンス」に重きが置かれているのです。
ここからは、コピーライティングとセールスライティングの違いについて詳しく解説します。
コピーライティングはイメージを創造する文章
コピーライティングは「イメージコピー」を指し、イメージを向上させる目的で使われます。
キャッチコピーと呼ばれることも多く、具体的な商品説明よりも、商品・企業の価値や創造する未来の姿について描かれます。
例えば、下記の有名なキャッチコピーを見たことがある人もいるのではないでしょうか。
- お、ねだん以上。(ニトリ)
- Just Do It.(Nike)
- NO MUSIC,NO LIFE.(タワーレコード)
商品や企業の説明はありませんが、どのような目的で商品が作られているかイメージでき、企業の思いを的確に表現している点が特徴です。
セールスライティングは売るための文章
一方、セールスライティングは「レスポンスコピー」を指し、実際に購入や登録などの行動を促す目的で使われます。キャッチコピーよりも長文になることが特徴で、一文で終わることはありません。
下記のような内容がセールスコピーにあたります。
- 9割が損している!家電をお得に買える時期はいつ?
- 元美容部員が教える!あなたが美肌を手にする5つの方法
また、文章の締めくくりは「こちらで商品を購入する」や、「詳しくは公式LINEをお友達追加!」のように行動を促します。
感覚的な内容ではなく、読者に効果やメリットを訴える点がコピーライティングとの違いと言えるでしょう。
コピーライティングの3つの特徴
商品や企業のコンセプトを端的に伝えるコピーライティングは、知名度やイメージアップに効果的です。
「CMや店頭ポスターで印象に残っているフレーズが、実はコピーライティングだった」ということもあるかもしれません。
ここからは、コピーライティングの3つの特徴を紹介します。
短いフレーズで強く印象付ける
コピーライティングは、短いフレーズで顧客に強く印象付ける点が特徴です。
短くて一言、長くても数行である場合が多く、商品や企業の魅力をシンプルかつ分かりやすく伝えています。
見た人の心にポジティブな印象を与え、購入後に幸福度が高まるイメージを想像させるのがコピーライティングです。
そのため、ネガティブな言葉はあまり使用せず、インパクトがある言葉で端的にベネフィットを伝える文章であることも特徴と言えるでしょう。
直接的な行動につながらない
どんなに素敵なフレーズだからといって、購入や使用などの行動に直結する訳ではないこともコピーライティングの特徴の一つです。
コピーライティングは、見た人に潜在的に好印象を抱いてもらい、今後その商品や企業に出会ったときに競合と差別化を図ることが目的です。
今この瞬間に売上をアップするというよりは、時間をかけて商品や企業認知を広げ、将来の顧客を育てることが重要視されています。
成果を数値で測れない
コピーライティングによる効果は数値で測りにくく、評価されにくい点も特徴です。
アンケート調査によって世間のイメージはある程度把握できますが、それがキャッチコピーによるものなのか、口コミやパッケージデザインなどの他要因によるものなのかを決定づけることはほぼ不可能でしょう。
費用対効果が不明瞭ということもあり、経費削減の対象として挙げられやすい側面もあります。
セールスライティングの4つの特徴
一方、セールスライティングは、読者の購買意欲を高める目的のライティング方法です。
Webライターがクライアントから依頼される記事や、ブロガーが書いている記事の大半はセールスライティングにあたります。
ここからは、セールスライティングの4つの特徴を紹介します。
長文でベネフィットを伝える
読者の行動を促すには、商品の特徴やメリットを分かりやすく伝えなければなりません。その結果、コピーライティングに比べると、長文になる傾向があります。
商品情報や数値を含む具体的な内容が主になるため、長い時は数万字にわたる場合もあるでしょう。
例えば、LP(ランディングページ)やアフィリエイト記事、DMやチラシの文章もセールスライティングに当てはまります。どれも抽象的な文章を避け、商材の詳しい情報を丁寧に伝える点が共通しています。
購入や登録などの行動を促す
セールスライティングの目的は、読者の行動を促すことです。
その場で読者の心を掴み、そのまま購入や申し込みといった次のステップに進んでもらわなければ意味がありません。
そのため、情報だけを伝えるのではなく、成約や購入にまでつなげるためのロジカルな思考と分析が求められます。
成果を数値で測れる
セールスライティングの効果は、アクセス数や売上によって判断しやすい点も特徴です。企業の業績にもつながるため、クライアントから成果が求められやすい分野でもあります。
特に、リスティング広告やLPのセールスライティングはリアルタイムで数値が見れるため、効果測定が容易です。
修正を即反映できるWebサイトやSNSの場合は、トライ&エラーを繰り返しながら、より良い広告成果を目指すこともあるでしょう。
商材に対する知識が問われる
売るための文章を書く必要があるセールスライティングでは、商品や企業についてはもちろん、業界全体やターゲット層に対しての理解が求められます。
読者の感情に訴えかけるコピーライティングに比べ、利用者の実例や数値を基に理論立てて文章を構成しなければなりません。
コピー・セールスライティングを書くときのポイント
コピーライティングとセールスライティングは全く異なる特徴を備えていますが、どちらも顧客に商品や企業を認知してもらうという点は同じです。
ここからは、コピーライティングやセールスライティングを執筆する上でのポイントについて解説します。
顧客の心理を深く理解する
文章を見た人に「この商品は自分にぴったりだ!」と思わせるためにも、顧客心理を深く理解することがポイントです。
もし競合他社にはない利点を備えていたとしても、特徴を並べただけの文章では読む人の心は掴めません。ニーズを踏まえた上で、顧客にあった適切な表現や言葉を選びましょう。
文章の構成や表現を少し変えただけでも、コピーやセールスライティングを見た人への刺さり方は変化します。
具体的なターゲットを設定する
漠然と文章を書いてしまうと、誰にも刺さらない記事になる可能性があります。多くの人に届けるのではなく、どんな人に響かせたいかを具体的に考えると良いでしょう。
例えば、年齢や性別、普段はどんなところで買い物をし、何を大切に商品選びをしているかといった人物像を細かく設定すると考えやすくなります。
特定の層を狙った結果、認知度がアップし、最終的にターゲット外の人々に広がることもあります。たくさんの人に届けるよりも、自分ごとに捉える人の心をしっかりと掴むことを心掛けましょう。
商品や競合他社を分析する
商品や企業に興味を持った人が「どんな悩みを抱え」「どのように解決したいか」を捉えることも重要です。
読者自身が自分の悩みに気がついていない場合もあります。購入するとどんな素敵な未来が訪れるか明確に示すことで、潜在的なニーズを引き出すことができるでしょう。
そのためには、商品や競合他社、顧客に対する深い理解が欠かせません。特徴やメリットに加え、他の商品にはない強みをアピールできれば、顧客の心をグッと掴むことができるでしょう。
過剰に売り込もうとしない
商品や企業のイメージを向上させるコピーライティングに対し、売上につなげるセールスライティングは営業トークのようになりやすい傾向にあります。
宣伝感が強く出てしまうと、読者が離れてしまう場合があるので注意しましょう。
1本の記事で売り込もうとせず、複数回に分けて商品の必要性を伝えると、信頼感が自然と築き上げられます。読者のニーズを満たすには、似た商品との比較やデメリットの紹介も効果的です。
コピー・セールスライティングスキルを上達させるコツ
一生もののスキルを身に付けるには、本や動画で学んだ上で実践するのが近道です。
コピーライティングはセンスも必要ですが、セールスライティングは型に当てはめることでワンランク上の文章が書けるようになります。
ここからは、コピーライティングとセールスライティングスキルを上達させるコツを解説します。
有名なライティングを真似する
コピー・セールスライティングの上達に最も効果的なのは、有名なライティングを分析し、真似することです。
以下の点が、なぜ印象的なのか、自分の文章とどこが違うのかを分析することで新たな気付きを得られるでしょう。
- 誰もが知っているキャッチコピー
- 検索上位のセールスライティング記事
ライティングスキルのインプットも大切ですが、自ら分析することでオリジナリティのあるコピーが書けるようになります。プロのノウハウを無料で身に付けられる方法ですので、ぜひ試してみてください。
心理学を勉強する
顧客の購買意欲を高めるには、人間の心理を理解することが重要です。行動心理学や認知心理学などの、ライティングに役立つ心理学を学ぶと効果的でしょう。
例えば、「残りわずか!」と希少性を示して行動を促す「希少性の法則」や、何度も繰り返し印象付ける「反復性効果」も行動心理学の一つです。
普段目にしている文章にも、心理学が活用されています。注意しながら生活することで、更なるスキルアップが叶うでしょう。
ブログやSNSで実践する
ブログやSNSなどのすぐに始められる媒体に挑戦してみるのも一つの手です。アクセス数やいいね数といった目に見える数値を基に分析・改善まで行いながら、実践的なスキルが身に付きます。
学んだ知識を活かしながら、お気に入りの商品やサービスについての記事や投稿を作成してみましょう。アフィリエイトを活用すれば、学びながら報酬を得ることもできます。
不用品を売ってみる
手軽にセールスライティングの効果を感じたい方は、実際にフリマアプリやネットオークションで不用品を販売する方法もあります。
効果が見えやすく、小遣い稼ぎにもなることから、セールスライティング初心者におすすめです。
タイトルの付け方や、商品の紹介文を少し変更するだけでも売上は変わります。他の出品者の文章を参考にし、アプリの利用者層に合わせてトンマナを変えるといった、Webライティングでも使えるスキルが身に付くでしょう。
コピーライティングとセールスライティングは使い分けよう
文章執筆の際に、コピーライティングとセールスライティングのスキルは必要不可欠です。
読者の心理を理解し、購買意欲を掻き立てる文章を書けるようになれば、クライアントワークやブログでも活躍できるようになること間違いありません。
今回紹介したポイントや上達のコツを押さえて、売上につながるライティングスキルを身に付けましょう。
Webライティングの勉強法を詳しく解説しています。
-
【2023年最新】Webライター初心者の勉強・学習におすすめの本9選!選び方も紹介
続きを見る
独学は苦手、Webライティングスクールで学びたいと考えている方はこちら
-
たのまなWEBライティング講座の特徴や評判は?メリットデメリットも解説
続きを見る